補助金申請前の実際のヒアリング

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補助金があれば設備投資して業務改善したい、生産効率をあげたい、直接収益に結び付けたい、新たな事業展開をしたいと思う方は多いはずです。特に印刷製本業は印刷する、物を作る装置を所有していないと営業展開だけの収入となり現物は外注展開しなくてはならず直接的な利益に結び付けることが難しい業界です。そこで実際に補助金を申請するまでの間のやり取りを実際の例でご紹介いたします。

三富 担当者

本日はよろしくお願いします。

お客様

〇〇機械の〇〇様から紹介で電話させてもらいました。△△印刷の△△です。どうぞよろしく。

三富 担当者

〇〇機械様からは事前に伺っておりました。早速ですが、今回はものづくり補助金を利用して〇〇機械様の折機の購入を検討しているというお話しでお間違えないでしょうか?

お客様

そこまで話ご存じなら話は早い。まさにその通りなんです。ただ、数年前にも同じようなケースがあって別の補助金を利用して中綴じ機を入れて、機械そのものは良かったんだが、その総額は2500万円かかって補助を受けたのは1250万円だろう。消費税は別で、まあ当時は8%だったけど、ざっくり200万の消費税、申請は知り合いから紹介してもらった方にやってもらい手付金15万円、補助金申請採択で250万円、その後補助金を受けてから事業完了報告の成功報酬で100万円、総額365万円だったんだ。まあ1250万も補助受けたんだから仕方ないとは思ったけどその年の経常利益に補助金が加わるから一気に事業法人税は上がるし、固定資産は上がるし・・何やってんだかなというのが正直なところなんだよ。

三富 担当者

そうですか。おっしゃる通りですね。ここ最近では補助金の申請はそこまでは報酬金いただいてないのが現状ですが、流れとすると、おそらく手付金は皆様同額レベルだと思います。採択された時点での費用も逆に頂いていなく、補助金が確定した段階、つまり採択を受けてから再度審査があってその金額が妥当かどうかチェックされるのです。そこで成功報酬という形でだいたい5%から10%くらいで頂いているのがトレンドです。ですから前回のケースでいうと125万円~250万円くらいが相場観だと思います。手付金はやはりこのようなヒアリングや現地調査など申請代行者がある程度機械の事や会社の事を理解しなくては物語がかけないので必要経費なのではと思われます。

お客様

そうなのか、では当時よりは補助金の代行も安くなっているということか。それなら考える余地もあるかな。ただ、いずれにしてもすべてが前払いだもんな。補助金うけるまでのツナギが大変なんだよ。

三富 担当者

おっしゃる通りです。補助金は受けるまでツナギが大変なですね。私どももこの件は随分と苦労しました。ところで、先ほどの補助機は特別利益の扱いでその年ですべての計上をして税金をお支払いになったということでしょうか?

お客様

そうだが、みんな補助金は一般的にそうだろう。

三富 担当者

もちろん、そうなんですが。高額な収入となってしまうので何年かかに分けて圧縮記帳することも可能なんです。最終的には同じ金額が利益として上がり、税金も同じようにかかっていくんですが、1回で100万円払うのと7年間かけて払うのでは資金繰り全然違いませんか?

お客様

そりゃ、そうだわな。だけど当時は誰もそんなこと教えてくれなかったぞ。不親切だな。

三富 担当者

というより、おそらく圧縮記帳が認められていても補助金の採択された方への正式な明記がなかったかもしれません。あとは担当している税理士さんがそのあたりにはあまり触れなかったのかもしれませんね。税理士さんにしてみれば払う税額同じなら積極的すすめる理由ないですからね。

お客様

しかし、そんなことは知らなっな。ところで、そういうのはどこで勉強したんだい?

三富 担当者

勉強とはちょっと違うのですが・・。実は私も1億円近い補助金を受けたことがありまして。その時にやはり一気に経常利益膨らむわけですよね。そこで色々調べているうちにその手引きの誰も見ないような欄にちょこっと、「圧縮記帳について」とありまして、税理士さんに問い合わせしたころ、普通に「ああ別に圧縮記帳でもいいですよ。」とこんなあっさりした回答でした。

お客様

そうか、あなたの会社も経験済みなわけだ。なるほど。。

三富 担当者

というわけでここからは弊社の補助金サポート金額についてお話しさせてください。具体的な金額は補助金申請額が決まらないと話し進まないのですが、今回の〇〇機械様の■■機械ですとざっくり1000万円くらいですよね。仮に1000万円とすると手付金5万と採択された場合には30万円です。ここまでは採択された時点で頂いています。そのあとなんですが、金額確定までの審査、金額決定して補助金をうけた際に30万円です。こちらは補助金が入金されてからで大丈夫です。しかもその審査資料作成や完了報告を御社自信でやっていただくのであればこの30万円は頂いていません。

お客様

それはそれは随分と良心的だね。こっちが心配になっちゃうくらいだねwww。

三富 担当者

www。そうですね。ただ、我々は多くの印刷製本機器メーカー様とお付き合いがあります。しかも弊社やグループ企業での実績もあります。印刷製本に関しては現場の声も拾えます。仕事のやり方も各会社さまによってさまざまですが、作る工程、フレーズ、どこでコストダウンさせればよいか?どのように省人化すればいいのかを具体的な提案をできるのが強みです。製造に携わったことのない立派な士業の先生方が作る申請ストーリーと我々現場で生きた生の声を物語りにして採点者に伝えるのはわけが違います。正直、先生方が作り出す文句のつけどころがないストーリーと我々のような泥臭いストーリーでは比較しようもありません。ですがこの業界の大変さや苦しみを一緒に乗り越えていくような熱い思いはどの先生方よりも勝っているつもりです。採択されなければダメなところを修正して再度チャレンジすればいいと考えています。

三富 担当者

是非弊社をご利用していただきたくお願いいたします。

お客様

そうか、そういうことか。正直、自分としては100%採択に目がくらんでしまっていて。少し補助金や会社経営の在り方、業界の在り方を見失っていたようだ。是非、君のところでやってくれよ。

三富 担当者

ありがとうございます。早速ですが、簡単な契約書の取り交わしをお願いします。契約書と言っても情報を公開しないことのお約束です。私も同業の身ですから、大事な仕事のやり方など他社様に情報を漏らさないためのものです。ご理解お願いします。

お客様

そこまで徹底しているんだ。さすがだな。よろしく頼むよ。

三富 担当者

かしこまりました。それでは早速次回以降のスケジュール決めていきましょう。次回は1時間程度工場官学と簡単なヒアリング、そのあとはリモートかメール、ラインなどのやり取りでいかがでしょうか?この業界、どこの社長様もお忙しいのであまり時間をかけないでやるようなスタイルとさせて頂いています。

お客様

そう、それは助かるね。えーと、これが連絡先だ。

三富 担当者

アイコンかわいいお子様ですね。

お客様

孫なんだよ。去年生まれてな。

三富 担当者

そうでしたか、それはうれしいですね。私も去年、第一子授かりまして・・。同じ年ですね。何月ですか?

三富 担当者

あっ、余計なお話でしたね。続きは次回にします。次回は具体的な購入予定の設備の話と諸々の書類についてです。必要な書類についてはこの後すぐにラインで送っておきます。できれば次回お会いする時までにご用意していただけると助かります。

お客様

わかった。では次回までに準備しておくよ。

お客様

ところで、次回って約束したっけ?

三富 担当者

そうですね。してなかったですね。それでは社長さまの都合のいいとき、3つくらい候補あげてラインに送ってもらえますか?

2回目面談

三富 担当者

社長、本日もよろしくお願いいたします。

お客様

必要な書類はこれだけでいいか?

三富 担当者

これで大丈夫です。それと手付金のご入金ありがとうございます。早速ご確認ですが、ℊbizIDのプレミアムの取得は現在進行。パートナーシップの申請も済んでる。経営革新計画も進んでいる。で間違いないですか?

お客様

ああ、全部やっているよ。

三富 担当者

最初少し手間ですがよろしくお願いします。

三富 担当者

先ほど、現場の方に案内されて折機の配置見させていただきました。左側のコーナーに設置予定ですよね?

お客様

そう、スペース的にあそこしかなくてな。

三富 担当者

ということは、今回の折機は4p・16pは折らないという認識でいいですか?というのも今回導入予定の折機は16pまで出せるタイプです。あくまでパラレル折、8pが主体でということで。

お客様

本当は16pまで折りたいんだけどな。今も県またいで外注してるし。車代はかかるし。

三富 担当者

そうですか。あと50㎝右に寄せれば入りますけどね。とすると右の機械も移動しなくてはいけないからということですかね。1つ提案なんですが、この機械を移動する金額出してみましょうか?それと先ほどのように外注していた外注費と車代などできれば半年分くらい、つまり内製化できる金額出して移動費用と比較したらどうでしょう?

お客様

それも何回か計算してみたんだけど、どうもうまくシュミレーションできなくてな。というのもその仕事なくなった場合考えたら少しもったいないよな。

三富 担当者

そうですか。でも今回の導入予定の機械は16pまで折れる仕様ですし、先ほど見学させていただいたときにセパレートのステーションやスタッカーもあったみたいなので、あのあたり組み合わせるとかなりできる仕事増えますけど。なんとなくですがもったいない気がします。それと営業さんも3名もいらっしゃるのであればそのような仕事は今まで断っていた可能性もありますよね。せっかくの導入でしたら効率を上げることも必要ですが新たな仕事を取り込む作業も同時に進行したら、あっという間に投資額いってしまいますよ。

お客様

そうか、そういう手もあるか・・。

三富 担当者

ですね。何より、社員のモチベーションアップになりますよ。うちの会社でこんな仕事できたんだ!とか営業さんの成績アップにもつながるし。売り上げも利益も上がれば社長さんの賃上げの悩みもすぐ解決できると思いますよ。

お客様

そうだな。もう一度計算してみよう。しかし、あなたは折機の向きまで考えることできるんだな。以前の先生ではできなかったもんな。それはこの業界ならあなた選ぶよ。

三富 担当者

ありがとうございます。以前の先生たちは分析や計算、ストーリー作りのプロ。私たちはこの現場から見るプロ。ストーリーは素人ですww。

三富 担当者

あとは新しい取り組みとなると、社員教育が必要になります。近くの会社で見させてくれる会社があればいいんですが。。

お客様

それは難しいかな。あるにはあるけど。なにせ、この狭い業界の中で、自分の仕事取られちゃうから中々うんとは言わないよ。

三富 担当者

そうですよね。でしたら1度うちのグループ会社と近隣の会社ご案内しますよ。正直、うちのはあまり参考になるかわからないですが、親しい会社あるのでそこなら大丈夫です。メリットは実際の現場が見えることと手さばきなど見様見真似です。デメリットは交通費と時間を割いてしまうことです。

お客様

いやー、それは是非見てみたいね。問題ないのかい?

三富 担当者

全然ないですよ。逆に意見交換もできるなら願ったり叶ったりです。

3度目面談

三富 担当者

採択おめでとうございます。

お客様

いやー、ちょっと一安心だな。見学いっておいて良かったわ。何といっても営業があのあと今までにやってない仕事バンバンとってくる。まだ機械入ってないのにだよwww。

三富 担当者

社員のモチベーションあげることが何よりの財産になりますからね。ちょっと予算オーバーしましたが、早速採択の報酬ありがとうございました。これ以降はどういたしましょうか?金額確定への審査登録、完了報告です。ここから先少し時間かかりますがどうでしょう?

お客様

もちろん、お願いするよ。補助金入るのはどのくらいの予定だい?

三富 担当者

そうですね、今5月で、今月中に申請だしておけば、おそらく確定通知は7月中には来るでしょうからそこから事業開始、機械が導入されればすぐに完了報告出します。そこから実地検査が1か月後、最終確定がその1か月後ですから早くて年内くらいですかね?ただ最近のケースみてると採択から入金まで1年ががかりも普通です。ちなみにここからは正式な見積もりと合い見積もり取って、確定通知きてから機械発注してくださいね。発注書はこちらで準備しておくので大丈夫です。この発注の日にちと、発注書請けとかいう書類が結構ポイントなんですよ。ここ間違えると差し戻しが事務局からきてどんどん日程ズレ起きますからね。

お客様

そうか、このあたりが面倒くさい手続きなんだな。

三富 担当者

はい。ものづくり補助金は県によって事務局違うので、実際にはやってみないとわからないのですが、埼玉県は最もうるさくて本当大変でしたよ。

お客様

まあ、その辺は頼むよ。

三富 担当者

了解いたしました。引き続きよろしくお願いいたします。

これが採択までのやり取り内容の一例です。

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