印刷紙業界のこれからの予測

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三富では印刷業界の将来についていくつかの仮説を立てて具体的な取り組みをどのうようにしてくかを追従しました。

いくつかの可能性

三富では常日頃からグループ全体の会議を定期的に行っています。現場からの声、営業的な見解、業界のトレンドなどを共有し少しでも業界の発展につながればと言う非力ながらの努力です。さて、今回は半期決算(2023年8月終了時点)後の予測をまとめてみました。

デジタル化の加速とオンラインプリンティングの成長

インターネットの普及により、オンライン印刷サービスが増加傾向。クライアントはオフセット印刷からデジタルプリントに切り替え増加が見込まれる。カスタマイズされた印刷物を簡単に注文できるようになっています。これまでの印刷加工アナログ技術はオンデマンド機のデリバリー部分のアフター加工が更に充実していく可能性が高いと予測。

環境の問題への配慮

再生紙、環境に優しいインク、エネルギー効率の良い印刷プロセスが重要視されていく。今までの横持(トラックやフォークでの移動)を極力減らす。脱炭素化。

3D印刷の台頭と頭角

現在の3Ⅾプリント技術はあらゆる製造分野において急速に進化し、部品作成から最終製品の製造まで幅広い応用が期待されています。印刷業界でも3Dプリンティングによる新たな機会が開けています。特に今まで困難であった3Ⅾデータ作成がソフトの発展によりより単純でオリジナル性の高いものが作れるようになった。

デジタルマーケティングと統合

弊社ないでも集中的に力を入れている分野です。印刷業界のいわゆる印刷そのものと加工の部分を2次元コードなどの利用によりロジスティック部門までを一元管理できるシステムを導入し、顧客との接点を強化しています。また、2の環境の部分とかぶる部分もあり、リードタイムを短縮し脱炭素化にも大きく寄与することとなる。

カスタマイズと多様化・個人化

印刷業界は、今まで一般的なものであったものから少し手の加わったカス製品やサービスへの需要が高まっています。その動きは加速されより多様で個人の好みやニーズに合った印刷物を提供することが注目されている。

データ分析とAIの活用

人工知能(AI)がより使いやすいものとなったため、ビッグデータ分析と人工知能(AI)技術を活用して、印刷業界はより効果的なターゲティングや生産プロセスの最適化に取り組んでいます。あわせて生産工場の現代化、IOT化が進んでいる。

エンボスや特殊仕上げ

これまでのアナログ技術からデジタル技術が進化したことにより、高品質のエンボスや特殊な仕上げが可能になり、印刷物に立体感や質感を与えることができます。これにより、ブランドの差別化や印象の向上が図られています。

教育と研究

印刷業界は大学や専門学校など教育機関や専門研究機関と協力し、新しい印刷技術の開発や研究に貢献しイノベーションを起こそうとしている。

可能性総括

印刷業界は技術の進歩や市場の変化に対応しながら進化しています。斜陽産業と言われ久しくなりますが今後は業態、グループ化の加速などのより会社の全体数は減るものの、印刷の新製品、新たな機会が出てくると予測しています。業界関係者はこれらのトレンドを把握し、適切に適用することが成功への鍵となります。

これから印刷関連会社がやるべきこと

可能性からみる具体策はいったいどのようなものがあるのか?

デジタル化の加速とオンラインプリンティングの成長

紙以外の媒体を活用・ウェブサイトの改善

フライヤーなどの紙媒体に頼らず、オンラインで印刷物を提供するウェブサイトを使用、より使いやすく、情報がわかりやすいものにアップデートしていくことが必要。見積もりフォーマットの作成、注文プロセスを簡素化し、顧客が簡単に製品を選択できるように工夫していく。

デジタル印刷設備の導入(補助金の活用)

デジタル印刷機器の導入を検討し、高品質かつ効率的なデジタルプリントを提供していく。これにより、カスタマイズされた特殊印刷物を迅速に製造できます。手加工に頼らなくてはならない製品を減少させる。

デザインツールソフトの導入

オンラインで顧客がデザインできるウェブサイトに統合し、自分のデザインをカスタマイズして注文できるようにします。名刺、フライヤー、ポスター、会社案内、セミナー案内などの製品に適しているため、印刷営業マンとのやり取りを省くことができる。

デジタル印刷の柔軟性を活用する

デジタル印刷はカスタマイズに向いています。顧客のニーズに合わせてサイズ、用紙、カラー、仕上げなどを柔軟に調整できるようにし、小ロットから大量まで対応できるようにします。更に抜き加工などの特殊な案件にも対応できるような設備をアップデートしていく。

商品カタログと価格表の提供する

オンラインカタログや価格表をウェブサイトに掲載し、顧客が製品の選択肢や価格を簡単に比較できるようにします。安いから利用する概念から使いやすいから利用する概念へ移行していく。

オンラインプリンティングツールの導入

カスタマーサービスの窓口を設置し、顧客と提供側の連絡を最小限に抑え、オンラインツールなどを活用して注文、支払い、製品の進捗状況の追跡を容易にします。トレースアビリティシステムの導入。

市場調査の充実をはかる戦略

SNS、ダイレクトメール、オンライン広告などを活用して、オンラインでの印刷サービスを宣伝し、新規顧客を獲得します。BtoBからBtoCへ移行、または併用。

品質管理とフィードバック方法の見直し

品質管理プロセスを今まで以上に充実させ確立させることで、顧客からのフィードバックを受け付け、サービスの向上に反映させる。感情的なやりとりからより機械的なやりとりになるため、慎重な対応が必要となる。場合によってはカスタマーセンター、苦情相談受付を積極的に設置する。今まで以上に品質の一貫性を保ち、信頼性を高めていく。

環境問題への配慮、取り組み姿勢の開示

再生紙の利用やエコな印刷インクの使用など、環境に対する配慮を強調し、顧客に持続可能な印刷オプションを提供します。さらに印刷以外の分野、特に物流の問題には積極的に触れ、ドライバー雇用の問題や働き方改革まで連動させるイメージ戦略を打ち立てる。

教育とトレーニング

従業員にデジタル印刷技術やオンラインでの受注方法、デジタルとアナログの区分けに関するトレーニングを提供し、技術の進化に対応できるようにします。更にOJTの見直しをトレーニングそのものの質を高めていく。

具体策総括

デジタル化とオンラインプリンティングへの取り組みは、印刷業界で競争力を維持し、新たな市場シェアを獲得するために非常に重要だと思われます。顧客志向のアプローチと技術の進化に柔軟に対応することが今後の印刷業に必要不可欠と予測しています。


実際に弊社で取り組んだ内容を別ページでご紹介しています。

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